2012/07/10
事務所通信7月号
7月10日(火)⇒6月分源泉所得税・住民税の納期限 |
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復興特別所得税
東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する措置として、平成23年12月2日に復興財源確保法が施行・公布され、復興特別所得税が創設されました。平成25年1月1日から平成49年12月31日までの25年間の所得について、源泉所得税を徴収する際に復興特別所得税も併せて源泉徴収することとなりました。
1.源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の額
源泉徴収すべき復興特別所得税の額は、所得税の額に2.1%の税率を乗じた金額となります。復興特別所得税は、所得税の源泉徴収の際にあわせて源泉徴収することとされています。
源泉徴収すべき所得税及び復興特別所得税の額
支払金額等 × 合計税率(%) ※合計税率(%)=所得税率(%)×102.1%
(注)算出した税額に1円未満の端数があるときは切り捨てます
所得税率に応じた合計税率の例
所得税率(%) |
5 |
7 |
10 |
15 |
16 |
18 |
20 |
合計税率 |
5.105 |
7.147 |
10.21 |
15.315 |
16.366 |
18.378 |
20.42 |
≪計算の具体例≫
◎従来の計算方法
講演料として111,111円を支払う場合(所得税率10%)
111,111円 × 10% = 11,111.1 ⇒ 11,111円
(所得税率) (算出税額) (源泉徴収税額)
※税引手取額:111,111円-11,111円=100,000円
◎復興特別所得税を含む計算方法
講演料として111,111円を支払う場合(所得税率10%)
111,111円 × 10.21% = 11,344.4331 ⇒ 11,344円
(合計税率) (算出税額) (源泉徴収税額)
※税引手取額:111,111円-11,344円=99,767円
講演料として手取り100,000円を支払う場合の支払金額(所得税率10%)
100,000円 ÷ (100-10.21)% = 111,370.976 ⇒ 111,370円
(税引手取額) (合計税率) (算出金額) (支払金額)
2.給与等に係る所得税及び復興特別所得税の源泉徴収
給与等については、平成25年分以後の源泉徴収税額表に基づいて算出し、徴収した額を1枚の所得税徴収高計算書(納付書)で納付します。
平成25年1月以降は平成24年分以前の源泉徴収税額表は使用できなくなるので注意してください。
3.復興特別所得税の源泉徴収の対象となるもの
預貯金等の利子や配当、給与・退職所得、報酬等、上場株式の配当等、特定口座内の上場株式の譲渡所得などとなります。
4.年末調整
年末調整は、所得税と復興特別所得税の合計額で行います。
年末調整による年税額は、算出所得税額から住宅借入金等特別控除額を控除した後の税額に102.1%を乗じた金額(100円未満切り捨て)となります。
5.法定調書
「給与所得の源泉徴収票」や「利子等の支払調書」等の法定調書の「源泉徴収税額」欄には、所得税と復興特別所得税の合計額を記載します。
6.その他
① 平成24年10月分の未払い給与を平成25年1月に支払った場合
復興特別所得税は、平成25年から平成49年までの所得に対して課税されます。そのため、平成24年10月に支払いが確定している所得は平成24年分の所得となり、復興特別所得税を源泉徴収する必要はありません。
② 毎年、12月分の給与を翌年1月に支払うこととしている場合の平成24年12月給与
契約や慣習、株主総会の決議等で支給日が定められている給与は、その支給日が給与の収入すべき時期とされています。
この場合は、平成25年1月4日が収入すべき時期となるため、平成25年分の所得となり、復興特別所得税を源泉徴収する必要があります。
編集後記 平成24年もすでに半年が過ぎました。復興特別所得税は平成25年からの所得税に大きく影響することになります。手取り額も減りますので、従業員の方への周知なども必要になります。まだ先の話だと思っていると、いつのまにか年末に…ということもよくありますので、少しずつ準備をしていく必要があるのではないかと思います。 |