お知らせ

2025/01/17

事務所通信1月号

事務所通信

 

あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申しあげます。

さて、2025年度の税制改正大綱が公表されました。今回の改正では、さまざまな改正案が提出されていますが、その中でも身近な改正案をご紹介します。

 

 

 

◆2025年度税制改正大綱

 

 

Ⅰ.個人所得課税

 

 

■基礎控除の引上げ

 

(1)内容 合計所得金額が2,350万円以下である個人の控除額を10万円引き上げる。

 

(2)適用時期 令和7年分以後の所得税に適用。給与等及び公的年金等の源泉徴収では、令和8年1月1日以後に支払うべき給与等又は公的年金等に適用する。

 

 

■給与所得控除の引上げ

 

(1)内容 最低保障額55万円を65万円に引き上げる。「給与所得の源泉徴収税額表(月額表、日額表)」、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」、「年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表」等について、所要の措置を講ずる。

 

(2)適用時期 令和7年分以後の所得税に適用。「給与所得の源泉徴収税額表(月額表、日額表)」及び「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」の改正は、令和8年1月1日以後に支払うべき給与等に適用する。

 

 

■特定親族特別控除(仮称)の創設

 

(1)内容 居住者が生計を一にする19歳以上23歳未満の親族等(居住者の配偶者及び青色事業専従者等を除く。合計所得金額が123万円以下であるものに限る)で控除対象扶養親族に該当しないものを有する場合には、その居住者のその年分の総所得金額等から一定の控除額を控除する(①)。控除額が一定額以上の場合には、給与等及び公的年金等の源泉徴収の際に適用できる(②)。

 

(2)適用時期 ①は令和7年分以後の所得税に適用し、②は令和8年1月1日以後に支払うべき給与等又は公的年金等に適用する。給与所得者は令和7年分の年末調整で適用できるほか、所要の経過措置を講ずる。

 

 

 

Ⅱ.消費課税

 

 

■外国人旅行者向け消費税免税制度(輸出物品販売場制度)の見直し

 

(1)内容 外国人旅行者に消費税相当額を含めた価格で免税対象物品を販売し、出国時に持出しが確認された場合に輸出物品販売場を経営する事業者から消費税相当額を返金する「リファンド方式」とする。また、免税対象物品の範囲が見直され、消耗品について免税購入対象者の同一店舗一日当たりの購入上限額(50万円)及び特殊包装を廃止し、一般物品と消耗品の区分を廃止する。

 

(2)適用時期 令和8年11月1日以後に行われる免税対象物品の譲渡等について適用する。

 

 

 

Ⅲ.資産課税

 

 

■個人の事業用資産に係る贈与税の納税猶予制度

 

(1)内容 事業従事要件について、贈与の直前において(現行:贈与の日まで引き続き3年以上)特定事業用資産に係る事業に従事していたこととする。

 

(2)適用時期 令和7年1月1日以後に贈与により取得する財産に係る贈与税について適用する。

 

 

■非上場株式等に係る贈与税の納税猶予の特例制度

 

(1)内容 役員就任要件について、贈与の直前において(現行:贈与の日まで引き続き3年以上)特例認定贈与承継会社の役員等であることとする。

 

(2)適用時期 令和7年1月1日以後に贈与により取得する財産に係る贈与税について適用する。

 

 

 

Ⅵ.その他 防衛特別法人税を創設

 

 

■防衛特別法人税(仮称)を創設

 

(1)内容 各事業年度の所得に対する法人税を課される法人は、防衛特別法人税を納める義務がある。法人の各課税事業年度の基準法人税額(所得税額の控除や外国税額の控除等の制度を適用しないで計算した各事業年度の所得に対する法人税の額)について、当分の間、防衛特別法人税を課する。防衛特別法人税の額は、各課税事業年度の課税標準法人税額(基準法人税額から基礎控除額(年500万円)を控除した金額)に4%の税率を乗じて計算した金額とする。

 

(2)適用時期 令和8年4月1日以後に開始する事業年度から適用する。

 

2024/12/10

事務所通信12月号

事務所通信

 

令和6年分の年末調整においては定額減税実施による年調減税が発生します。今回はその年調減税についてお話しします。

 

1.定額減税

 定額減税は納税者、同一生計配偶者および扶養親族1名につき、それぞれ所得税3万円と住民税1万円の計4万円が控除される仕組みです。定額減税には月次減税と年調減税があります。月次減税については今年6月時点の状況に基づいていったん減税額を定め、所得税の減税を行うというもので、すでにみなさまも減税されているのではと思います。

 

2.年調減税

年末調整の際に、年末調整時点の本来の所得税に対する定額減税額を定め必要に応じて精算を行います。

 

3.年調減税の対象者

 年調減税の対象者は、基本的に年末調整の対象者です。令和6年12月31日時点で国内に居住中、かつ扶養控除等申告書を提出している人(甲欄適用者)となります。

これにより、6月2日以降に入社した人で甲欄の人は月次減税の対象にはなっていませんでしたが、年調減税の対象になります。 

対象とならないのは、合計所得金額が1,805万円を超える人や、扶養控除等申告書を提出していない人(乙欄・丙欄適用者)、年間所得金額が48万円以下のため算出所得税額が0円となる人です。

 

4.年調減税の計算

対象者ごとの年調減税額の計算は、「扶養控除等申告書」や「配偶者控除等申告書」などを用いて年末調整の時点の同一生計配偶者の有無及び扶養親族(いずれも居住者に限ります)の人数を確認し、「本人3万円」と「同一生計配偶者と扶養親族1人につき3万円」との合計額を求めます。

 

5.年調減税の控除

対象者ごとの年末調整における年調減税額の控除は、従来通りに年末調整の計算を行い、住宅借入金等特別控除後の所得税額(年調所得税額)から、その住宅借入金等特別控除後の所得税額を限度に行います。その後、復興特別所得税を含めた年調年税額を計算します。具体的には下記の算式となります。 

(合計所得税額-年調減税額)×102.1%=所得税額(復興所得税額含む)

 

結果として以下の現象が発生しやすくなります。

①6月以降に扶養家族の増加があった人は年調減税額が月次減税額と比べて1人あたり3万円増加することから還付が発生する可能性が高くなります。

②6月以降に扶養親族の減少があった人は年調減税額が月次減税額と比べて1人あたり3万円減少することから徴収が発生する可能性が高くなります。

③6月2日以降に入社した甲欄適用の従業員は月次減税の対象ではないため、これまで月次減税が行われておらず年調減税のみで減税されるために還付が発生する可能性が高くなります。

 

6.源泉徴収票の表示

 年末調整終了後の給与所得の源泉徴収票には、その摘要欄に実際に控除した年調減税額を「源泉徴収時所得税減税控除済額●●●円」と記載し、年調減税額のうち年調所得金額から控除しきれなかった金額を「控除外額●●●円」(控除しきれなかった金額がない場合は「控除外額0円」)と記載します。

さらに、合計所得金額が1,000万円超である居住者の同一生計配偶者(以下「非控除対象配偶者」といいます)分を年調減税額の計算に含めた場合には、上記に加えて「非控除対象配偶者減税有」と記載します。

なお、控除外額がある場合、市区町村によって調整給付されることとなるために会社としての対応は特にありません。

 

2024/11/15

事務所通信11月号

事務所通信

 

令和6年分年末調整 年調減税事務

 前月の記事では令和6年分の年末調整関係書類の変更点についてお伝えしました。令和6年の年末調整では、定額減税の処理も必要となります(年調減税事務)。年末調整時点の定額減税の額を「年調減税額」といい、年調減税額を算出して年調所得税額から控除します。今回は年調減税事務の手順についてお伝えします。

 

 

 

1.対象者の確認

 

(1)「本人」の判定~年末調整の際に年調減税事務の対象となる人

 年末調整の対象となる人が、原則として年調減税事務の対象者です。ただし、年末調整の対象となる人のうち、給与所得以外の所得を含めた合計所得金額が1,805万円を超えると見込まれる人については、年調減税額を控除しないで年末調整を行うことになります。

 

(2)「扶養している家族」の判定~何人分が控除できるか

 配偶者については「配偶者控除等申告書兼年末調整に係る定額減税のための申告書」、扶養親族については「扶養控除等(異動)申告書」から把握することができます。

 

 

2.年調減税額の計算

 年調減税額は「本人3万円」と「扶養している家族1人につき3万円」の合計額です。

 

 

3.年調減税額の控除

 

 

 年調減税額の控除は、住宅借入⾦等特別控除後の所得税額(年調所得税額)から、その住宅借入⾦等特別控除後の所得税額を限度に⾏います。上記のとおり通常の例により年末調整を⾏い、令和6年分源泉徴収簿の「年調所得税額㉔」欄を算出し、年調所得税額から年調減税額の控除を行います。年調減税額を控除した後の⾦額に102.1%を乗じて復興特別所得税を含めた年調年税額を算出した上で、過不⾜額の精算を⾏います。

 

 

4.源泉徴収票への表示

 年末調整終了後に作成する「給与所得の源泉徴収票」には、その「(摘要)」欄に、実際に控除した年調減税額を「源泉徴収時所得税減税控除済額×××円」と記載します。また、年調減税額のうち年調所得税額から控除しきれなかった⾦額を「控除外額×××円」(控除しきれなかった⾦額がない場合は「控除外額0円」)と記載します。

 

2024/10/11

事務所通信10月号

事務所通信

 

令和6年分の年末調整関係書類の変更点が国税庁より公表されました。主な変更点をお伝えします。

 

1.主な変更内容

 

(1)追加事項

マル基・配・所の用紙に「年末調整に係る定額減税のための申告書」が加わり、用紙の名前が長くなりました。

基礎控除申告書と、配偶者控除等申告書兼年末調整に係る定額減税のための申告書に年末調整で適用する定額減税の記載欄が追加されました。

 

 ↑基礎控除申告書

 

 

↑配偶者控除等申告書兼年末調整に係る定額減税のための申告書

 

(2)削除事項

マル保の用紙に、これまで記載されていた「あなたとの続柄」の欄がすべて削除されました。

 

2.簡易な申告書(マル扶)

(1)簡易な申告書

源泉徴収手続の簡素化を図り納税者利便を向上させるという観点から簡易な申告書が創設されました。令和7年1月1日以後に支払を受けるべき給与等について提出するマル扶から提出できます。

 

(2)異動の有無の判定

 氏名の変更、住所又は居所の移転、源泉控除対象配偶者や控除対象扶養親族の変動、寡夫や障碍者などの該当又は非該当、年齢の変動による控除区分の変動などが異動の有無の判定に関わってくるものです。

判定により異動がないとされれば、簡易な申告書を提出することができます。

 

(3)記載事項

簡易な申告書の記載事項は、申告書を提出する本人の、氏名・住所又は居所・マイナンバー(記載不要の場合は不要)・前年から異動がない旨のチェックとなっています。

※下図の水色の部分が記載事項となります。

 

※上記申告書は簡易対応様式のマル扶ですが、通常のマル扶でも簡易な申告書を提出することができます。そのため通常のマル扶のレイアウトが変更されています。

 

(4)書類の保存

 簡易な申告書はその提出期限の属する年の翌年1月10日の翌日から7年間保存する必要があります。前年の記載内容から異動がないかの確認のために、連年簡易な申告書の提出を受けたような場合には、最後に提出を受けた簡易な申告書以外のマル扶の内容が確認できるようにしておくことに注意が必要となります。

2024/09/12

事務所通信9月号

事務所通信

 

空き家の譲渡所得の3,000万円控除

 

 

1.特例措置の概要

 空き家に係る譲渡所得の3,000万円特別控除の特例(以下、空き家特例)とは、被相続人の居住の用に供していた家屋及びその敷地等を相続した相続人が、相続開始の日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに、一定の要件を満たして当該家屋又は土地を譲渡した場合には、当該家屋又は土地の譲渡所得から3,000万円を特別控除できるものです。この特例措置は、令和5年度税制改正により、適用期間が令和9年12月31日までに延長され、特例の対象となる譲渡について拡充が行われました。この拡充については令和6年1月1日以降の譲渡が対象です。

 

 

2.令和6年度以後の譲渡から買主側の耐震改修・除却工事でも特例対象に

 令和6年1月1日以後の譲渡については、譲渡前に相続人(売主)が耐震改修工事や除却工事を行う場合に加え、譲渡後に“買主が行う場合”も空き家特例の対象となりました。買主による工事等は、譲渡日から譲渡年の翌年2月15日までに完了する必要があります。

売主が、買主による工事で空き家特例の適用を受ける場合も、確定申告書に「被相続人居住用家屋等確認書」(以下、確認書)の添付が必要です。

家屋所在地の市区町村で確認書の交付申請を行う際、“買主に取得してもらう一定の書類”の提出が求められます。一定の書類について、耐震改修の場合は、「耐震基準適合日等の確認書類(耐震基準適合証明書、工事請負契約書のコピー、工事費用の領収書等など)」が当たり、除却等の場合は、「家屋全部の取壊し等完了日の確認書類(閉鎖事項証明書等)」が該当します。

 

 

3.国交省の例文では買主に対する損害賠償請求に関する文言も

 買主による譲渡年の翌年2月15日までの工事完了で、売主が空き家特例の適用を受けるための手続の流れは、【参考1】のとおりです。

 買主が期日までに工事を行うことを定めた「特約等」の締結や、市区町村への「特約書等のコピー」の提出については、税法上求められていませんが、特約等を未締結の場合は、買主の協力が得られず、買主が譲渡年の翌年2月15日までに工事を完了させない、買主が工事を完了させた後に取得すべき必要書類を交付してもらえないといったことから、空き家特例を適用できないケースが生じる恐れがあり、国交省は、こうしたトラブルを防止するために、市区町村での申請時に確認事項として特約書等のコピーの提出を求めています。国交省ホームページで公表されている特約等の例文では、工事の完了期日、必要書類の交付期日を定める文言に加え、これら期日を守らず空き家特例を適用できなかった場合、買主に対して損害賠償請求が可能とする文言が示されています(【参考2】)。

 

 

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